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2007年9月 7日 (金)

5人の客に4個のパン

 時折、残念な接客にぶつかることがある。

 友人達と、あるイタリアレストランでランチを食べたときのことだ。
女性5人のランチで、ランチコース5人分では少し量が多そうだから、コース4人前を5人でシェアすることにした。

料理と一緒に運ばれてきたバスケットの中には、パンが4つしかない。
4人前を頼んだのだから仕方がないかと、

「追加でもう一つパンをいただけませんか?」と頼むと「できません。」という。

「それでは、パンを半分に切っていただけませんか?」と頼むと「それもできません」という。

少し不満に思いつつも仕方がないかと料理を食べて、あらかたパンを食べ終わったときのことだ。
「パンのおかわりいかがですか?」とパンのおかわりをもってくるではないか。
パンのおかわりはできるが、最初に頼んだのは4人分だからそれを食べ終わるまでパンのおかわりができないというのが先方の言い分らしい。

「本当は4人前なのでパン4つなのですが、今回はサービスでもう一つお付けしますね。」

と対応してくれればその店のファンになったと思う。
ちょっとした対応でファンが敵になってしまうから商売はむずかしい。

 そのウェーター氏が普段からそんな風に気が利かない人間だとは思えない。おそらくはマニュアルを破ることで後で問題になるのが面倒なのだろう。お客さんを見ずにマニュアルばかりをみるというのは、この店に限らずいろいろな場面でぶつかることだ。

 マニュアルに文句をつけるつもりはない。

マニュアルというのは、誰でも一定のレベルのサービス(業務、商品)をこなせるようにする為のものなのだから社員教育には欠かせないものだと思う。

問題なのはマニュアルが作られた精神が語られず、その精神に基づいて一人ひとりの社員に自分の頭で判断させる習慣がないことだ。

先の例で言えば、例えば1人前を5人でシェアしてパンを大量におかわりをされては、原価割れしてしまう。だから人数分のパンしかださないということがマニュアルの意図だろう。
その意図に反しさえしなければ、パンを余分に1つ配ったからといって何の問題もない。
お客さんにとって心地よいサービスになるように、お店側が損しない程度のおまけを社員の判断でできるのがいちばんいいのだ。
その為には、判断の材料(知識)を身につけられるような土壌(風土)を作っていけばいい。

その土壌がデモクラシーなのだ。

マネジメントのデモクラシーは、単に従業員の満足をあげる為だけではなく、顧客サービスの向上やその結果としての業績の向上の為にも役立つものだと思う。

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