フィールドワークで感じた住民自治
地方分権一括法施行以来、団体自治とともに住民自治の重要性が指摘され、住民投票や審議会への参加などを通して住民による「自治意識」の充実がはかられようとしています。
日本の地方自治は、当たり前のことですが二元代表性によって、民意の反映が担保されています。
しかしながら、行政主導の政策決定と、地方議会の空洞化により本来代表制民主主義によってチェックされなくてはいけない、政策決定が素通りになってしまっている状態が続いています。
私自身、そうした状況に疑問を感じ住民自治を充実させるためには、どのようにしたらよいのかを住民投票条例や市民参加の場を通して考えてきました。
しかし、毎回「住民自治や参加が達成された状態とは何か」という事や、そもそも「住民自治・参加とは何か」といった問いに悩まされていました。
今年の夏、石川県七尾市へ知人を介してフィールドワークを行い、「住民自治」とは何かについて再考することができました。
石川県七尾市は、平成16年(2004年)10月1日、(旧)七尾市、田鶴浜町、中島町、能登島町の1市3町が合併した合併市です。
多くの地域では、合併をすると、行政区が広くなるため行政サービスが低下し、その低下した分の行政サービスをどのように補填していくのかという問題を抱えています。
そうした中で、石川県七尾市の一部である高階(たかしな)という地域では、公民館を中心に非常に興味深い取り組みがなされていました。
高階地域が共有しているテーマは「高階で自立していく」ということです。
高階地域は、「元高階町」といったくくりではなく、いくつかの村が集まる、まさに「昔の村落」で構成されている地域です。
その為、もとより「高階地域」で財源を持っているわけでもありませんし、支所があるわけでもありません。が、高階地域では公民館を拠点にした住民自治が行われていました。
行政からお金を貰うことを目的としているわけでもなく、自分たちの持つ資源で、菜の花を栽培や、「高階一円隊」という竹筒の募金箱をつくり、自分たちの地域を自分たちで守っていこう、自分たちでやっていけるようにしようという試みを行っていました。
まさにこれが住民自治の原点なのだと思わされる素晴らしい事例だと感じました。
都心部に近い地域では、新住民と旧住民の間に様々な差があるので住民自治といったときにも、どうやって巻き込んでいこうか、そこに対して行政は何ができるのかという議論が多いように思います。
私の思考形成も、そうした「都市型住民自治」の下に育ってきました。
しかし、元々村落を持っている地域では行政がわざわざ住民自治の部分に介入する必要がないのです。
参加といえば○○、自治といえば○○といったようなものではなく、自分たちの地域では
どういった自治の形が必要なのかということを、それぞれで考えなくては意味がありません。
地域の持つ性格によって最適な自治の形は異なるからです。
頭では分かっていても、自分たちで自分たちの自治を考えるというのは、中々難しいことです。
5年、10年の話ではなく30年、50年先に自分たちの子どもにどのように町をつないでいけるのか。
そのように考えたときの住民自治というのは、高階地域のように「自立」を真剣に考えている地域が強いのだろうなと感じました。
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